律宗の総本山である奈良の唐招提寺をご紹介します
個人的に唐招提寺の佇まいと雰囲気が大好きで、何度でも参拝させていただきたくなる寺院のひとつです

唐招提寺金堂

唐招提寺の創建

唐招提寺は唐の高僧である鑑真和上によって天平宝字3年(759年)に創建された律宗の総本山で、歴史的な建築物や仏像、仏教美術品が多数現存しており、仏教文化の源流を知る上で特に重要な寺院です

国宝に指定されている建築物、美術品が多く、鑑真和上坐像や盧舎那仏、千手観音立像、そしてそれらが収められている金堂が特筆に値します

また、経蔵は現存する校倉造としては最古で、創建以前の新田部親王の米倉を改造したものと伝わっています

唐招提寺ご朱印

鑑真和上

来日する際に5回も渡航に失敗し、失明したとされる鑑真は、754年(天平勝宝6年)に奈良に到着すると、東大寺の大仏殿前に戒壇を設立し、聖武天皇ら約440人に戒を授け、これが日本における正式な授戒の始まりとされています

その後鑑真は東大寺の戒壇院付近で数年間を過ごしていたが、759年に朝廷から新田部親王の旧宅を拝領すると、そこに戒律を研究するための道場を開き、多くの僧侶に戒律実践の基礎を教えたとされています

特に井上靖の小説『天平の甍』は、遣唐使として大陸に渡った留学僧たちに課せられた、高僧を唐から招くといった使命を全うするために、鑑真と出会うまでの経緯が描かれていて興味深い書籍です